ベトナム小売市場は9,000万人の人口、経済発展を背景として諸外国から注目を集めている。特に2015年からWTO約定により、2015年以降100%外資での小売企業設立が認められた影響もあり、外国からの投資が増え、市場はさらに加速するだろう。
2大都市の小売市場概況を不動産視点から見ることも可能だ。Cushman & Wakefield社の発表によると、2016年Q1時点で一定規模以上の小売向け商業ビルは、ハノイ49施設(15年Q2比8.9%増)、ホーチミン131施設(同12.9%増)となる。「首都ハノイよりもホーチミンの方が商業活動はより活発」とよく言われるが、この施設数の差もそれを裏付けているだろう。
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ベトナム医療サービス市場は経済発展、高齢化を背景に需要が高まっている。保健省の統計によれば、総診療回数は1.22億回超(2014年)、年間医療支出額は2004~2013年にかけてCAGR(年平均成長率)14%で増加し、2013年は106.7億ドル、1人当たりに換算すると111.2ドルとなった。また、2015年に海外で医療サービスを利用した患者数は約4万人(支出額20億ドル)と概算されており、各種需要が増加していることが分かる。
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ベトナムはブラジルに次いで世界第2位のコーヒー輸出国であり、2014年の輸出量は165万トン(全世界輸出量の14%)であった。
輸出大国であるベトナムだが、国内市場はどうだろうか。国際コーヒー機関によると、1人当たり年間消費量は1.3kgであり、ASEAN10か国のうち、ブルネイ、シンガポール、フィリピン、ラオスに次いで第5位となる。特筆すべきは消費量の成長速度であり、2008年には約95万袋(60kg/袋)、2011年には約160万袋、2014年には200万袋超となっており、6年で倍増している計算だ。レギュラーコーヒーとインスタントで分類すると、後者は市場の3分の1を占め、規模は2013年約3.8億ドル。シェアで見ると、Nestle Vietnamが33%、Vinacafe Bien Hoaが33%、Trung Nguyenが18%、Viet Thaiが5%であった(ユーロモニター社)。
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有料放送市場はいくつかの課題を抱えながらも、人口、収入の増加を背景としたニーズの増加を受け、堅調に成長を続けている。
情報通信省の報告によると、2015年の同市場は契約数990万件、売上は約4.6億ドルとなる。2015年までに世帯の3分の1が有料放送サービスに加入するという政府の開発目標が掲げられており、それが達成されている形だ。2010~2014年にかけて、有料放送の料金収入はCAGR(年平均成長率)22%を記録した。さらに、政府は「公共情報の強化」、「メカニズムや法的な枠組みの改善」、「投資資本の動員」、「サービス品質向上」の4つを柱とした政策を通じて、2020年までに世帯の60%から70%が有料放送サービスに加入することを目標としており、放送事業者にとっては追い風の環境が築かれている。
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JETROの調査によると、ベトナムの映画市場の規模は、興行収入では2013年に5,700万ドルであった。前年比約30%増で急増しており、豊富な人口(9,000万人)、経済成長、また近隣諸国と比較して市場規模が小さいことを理由に、今後も市場が拡大していくことが予想されている。
映画館利用について消費者実態を把握するため、2015年8月、20~30代の若年層を中心にオンラインアンケート調査(男性750名、女性708名、ハノイ・ホーチミン60%、その他40%)を実施した。
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GfKのレポートによると、2014年のスマートフォン販売台数は600万台で、ベトナムは東南アジア7カ国で3番目に大きな市場となった。スマホの急速な普及を受け、Web上の活動に変化が起きている。
VECITA(Vietnam E-commerce and Information Technology Agency)が2014年に実施した調査では、デスクトップパソコンを利用したWebへのアクセスは、2010年の84%から33%まで減少し、携帯端末によるアクセスは27%から65%まで急増した。また、58%がオンラインでの購入経験があると答えており、そのうちモバイルアプリを通じての購入は前年比倍増の13%となった。
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商工省のデータによると、食料消費額は年間5.1%で増加しており2016年には295億ドル(1人当たり年間300ドル)となる見込みだ。消費力の拡大が続いているベトナムでは、外食頻度について「毎日40%」、「週に1度37%」、「月に1度13%」というアンケート結果(Canvassco社、2014年)もあり、外食産業の競争も日々激化している。中でも、市場規模1.35兆ドン(2014年)、年間15~20%で成長を続けているファストフード市場の今後に注目が集まる。
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ベトナムの化粧品市場は成長初期であり、男性用も同様で、特にスキンケア商品のニーズ拡大が期待されている。ASEANの化粧品市場シェアはタイ30%、インドネシア23%、フィリピン21%、シンガポール7%。ベトナムは5%となったが、年間消費額はタイの1人当たり20ドルと比較して4ドルと小さい。2014年、国内市場のうち男性用は全体の10数%、さらにスキンケア商品で絞ると2~3%程度の700万ドルで、その輸入額は190万ドル程度だが、輸入品の小売価格は倍増する傾向があるため、存在感は大きい。
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お茶はベトナム人にとって馴染み深い飲料となっている。B&Companyのアンケート調査(2014年)では、約半数が毎日お茶を飲み、また最もよく飲む種類として17%がボトル詰めされた茶系飲料、83%がティーバッグ、茶葉、粉末などの茶と答えた。
環境が栽培に適していることから消費とともに生産活動も活発だ。生産、加工企業登録数は650社、小規模生産を行う農家は全国に多数存在する。統計総局によると、2014年の茶栽培面積は前年比1.8%増の13.2万ha(うち摘採実面積11.5万ha)、茶(生葉)生産量は2010年から毎年2~5%で成長を続けており約96.3万トン(約8トン/ha)であった。ラムドン省、タイグエン省が最も生産量が多く、VITAS(ベトナム茶協会)によると、それぞれ年間22.4万トン(2.4万ha)、19.3万トン(2.1万ha)であった。
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ベトナムの野菜作農業は堅調に拡大している一方で、国内では安全性が疑問視される商品が出回っている。
農業・農村開発省によると、2014年、耕地面積は約87.3万ha、年間生産量は1,500万トン超であり、うち国内消費85%、輸出15%であった。中国からの非正規輸入が盛んであり、正確な数字は把握されていないが、安全性が懸念事項となっている。国内生産品についても、農家の知識不足、利益優先思考を主因とする化学薬品の過剰使用などが行われており、「安全だと断定できるのは生産量の約8%に過ぎない」という政府関係筋の話もある。消費者の8割以上がWet Marketや個人間取引を利用するという伝統的購買習慣も影響を与え、ハノイ(年間消費量90万トン)、ホーチミン(同130万トン)では販売量の70%以上が出所不明である。
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