ベトナムの電力需要は、2021年から2030年までCAGR(年平均成長率)8~8.5%で6,320億kWhまで急増すると予測されている。これまで、電力生産は長年に渡り石炭、水力、ガスを利用してきたことから、政府は再生可能エネルギーの開発を長期的に重要な戦略の一つとして考えている。
2016年3月、第7次国家電力マスタープランが改定され(首相決定428/QĐ-TTg号)、2030年の総発電量に占める再生可能エネルギー(小規模水力、風力、太陽光、バイオマス)の割合を10.7%まで押し上げる計画を発表。特に太陽光発電については、2020年0.5%(総容量850MW)、2030年3.3%(同12,000MW)と急増させる計画となる。ベトナムは、年平均全天日射量(GHI)1,200~2,000kWh/㎡、東南アジアでは比較的高く、太陽光資源に恵まれていることもあってか、政府は太陽光をより推し進めたい考えだ。
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自然エネルギーを活用した電力発電がエコ意識の高いベトナム人の間で話題となっている。ベトナム政府の計画では、2015年に4.3%程度であった家庭用ソーラー発電システム導入を2020年には12%、2030年には36%まで推進する試みだ。
家庭用ソーラー発電の方法には2種類あり、1つはソーラーウォーターヒーターを利用し、太陽光を熱に替える太陽熱発電だ。太陽熱発電システムはベトナム国内で最もポピュラーな発電方法で、ベトナム全土に毎年約10万台が導入されている。その内30〜40%はホーチミン市で導入されている。
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再生可能エネルギーへの転換という世界的なトレンドを受け、ベトナム政府はマスタープランを発表している。長期的な戦略として、総発電量に占める再生可能エネルギー比率を上昇させたい考えだ。2013年の風力、太陽光、バイオマスはそれぞれ55MW、4MW、150MWとなっており、小規模水力などを含めた割合は3%となっているが、プランでは2020年5.6%、2030年9.1%という高い目標が設定された。
実際に再生可能エネルギーのベトナムへの導入は進むのだろうか。環境的には恵まれている。国土には3,200kmの海岸が含まれるため、全国面積の8.6%に風力発電所を構築でき、机上の数字にはなるが最大24,000MW相当にもなる。太陽光では年間約2,000時間の日照が見込まれる地域が広がり、農産品の多さからバイオマスについても約25,00MWの可能性がある。
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